8.保険金支払限度額の有無によりどのように対応しますか?

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セラーは、日本貿易保険により設定された保険金支払限度額という枠組を使って継続的な与信取引ができます。具体的には、1本の個別系と2本の包括系を想定することができます。
(1)限度額設定型貿易保険・・・個別系(船積前+船積後)
セラーは、ユーザンスが180日以内(輸出契約等締結日から支払期日まで1年以内)を前提とした継続取引を展開し、船積前+船積後をセットして申し込むことになります。(与信枠残がない場合は保険関係の不成立。)
(2)簡易通知型包括保険・・・包括系(原則船積後)
セラーは、ユーザンスが1年以内(輸出契約等締結日から船積日まで1年以内)を前提とした継続取引を展開し、船積前を「オプション扱い」のもとで原則船積後から保険関係を成立させることになります。(「船積確定通知」でもって対応するもの。)
(3)企業総合保険・・・包括系(船積前+船積後)
セラーは、継続取引を展開し、船積前+船積後をセットして申し込むことになります。ただし、ユーザンスは対象バイヤーのうちEM/EFバイヤーは1年以内、EE/EAバイヤー(SA銀行の信用状取引先を含む。)は2年未満です。

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セラーは、トップ1バイヤーの与信力でもって保険会社により設定された保険金支払限度額という枠組を使って継続的な与信取引を想定することができます。
(注)トップ1バイヤーに関しては、そのクレジットリミットが希望額どおり設定されるかどうかというだけでなく、セラー単位でもって設定される保険金支払限度額の水準にも影響を与えております。例えば、トップ1バイヤーのクレジットリミット×90%≦保険金支払限度額でもって目安をつけることができます。従って、クレジットリミットの設定度合いが希望額どおりに設定できるかどうかは、「最新の財務データ」の入手により左右されることが多いと言えます。そこでは、トップ1バイヤーの「最新の財務データ」を取り寄せることが重要課題になることがあります。このように、トップ1バイヤーは包括契約の枠組を形成しております。


(1)支払限度額の取扱いはどのようになりますか?

 ここでは、保険金の支払いの上限が(A)同一バイヤーにおける複数の保険事故扱いか、それとも(B)複数バイヤーにおける保険事故扱いのものかどうかです。
 公的保険では、支払限度額は保険金の支払い時における上限であって、同一バイヤーにおける複数の保険事故のときのものです。(バイヤー単位。)
 また、民的保険では、支払限度額は保険金の支払い時における上限とし、複数のバイヤーにおける保険事故のときのものです。(セラー単位。)
 2スキームで関心のあるのは、支払限度額が満額になっても対応できるところです。