11.ユーザンス180日を境にしてどのようにして保険申込みますか?

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セラーは、日本貿易保険に対して原則取引の都度に保険申込みを行います。
1.取引都度の手続き⇒契約単位
(1)中小企業・農林水産業輸出代金保険(ユーザンス180日以内)
セラーは、保険申込書に質入れの事前承認も合わせたフォームを利用します。
(2)簡易通知型包括保険(ユーザンス1年以内)
セラーは、日本貿易保険により設定された保険金支払限度額により包括特約を締結することからはじまります。
(3)輸出手形保険
 銀行は、予め原則4月1日付けで保険契約を締結しますが、セラーから荷為替手形を買い取りしても保険関係を成立させるかどうかは「オプション扱い」です。
(4)貿易一般保険
セラーは、契約締結の都度、保険申込みを行います。(組合包括では所属輸出組合経由のこと。)
2.事実上年1回の手続き⇒支払限度額単位
セラーは、限度額設定型貿易保険(ユーザンス180日以内)を申込みますと、日本貿易保険で設定された保険金支払限度額により年間保険料を一括払い(事前承認により2分割まで可。)します。

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セラーは、保険会社に対して保険申込みが年1回であり、包括契約に結実しますが、対象事業範囲を明らかにしなければなりません。それは、包括の定義付けにあたり、会社全体の事業範囲のうち包括対象の事業範囲⇒部門単位または貨物単位等と絞り込むことができます。それには前年度の実績から、今後の見込みを考慮し、対象バイヤーの最大債権残高を想定し、質問書(事実上「保険料見積依頼書」にあたるもの。)を完成させることです。
その後、保険会社は、予想売上高に保険料率を乗じて予想保険料を見積もり、最低保険料(予想保険料の80%相当額)を提案することがあります。セラーは、最低保険料を前払いして保険申込みますが、それはユーザンスが180日以内のもとで、ボリュームが10社以上、原則10億円以上のもとで包括契約を締結します。この場合、保険期間の期首は、通常、保険料を支払った日の翌月の1日にあたり、その日から商品を積出した案件に対して保険がかかりますが、保険関係は商品積出しの都度、自動成立するわけではありません。セラーは、四半期毎に保険会社あてに「売上高報告書」でもって当該報告期間の期末から15日以内に提出しなければなりません。


(1)売上高報告はどうなりますか?

  ここでは、売上高報告が(A)所定のフォームか、それとも(B)所定のフォームがなく他に間に合わせるかどうかです。公的保険では、通常、限度額設定型貿易保険は輸出契約等の締結でもって保険関係が自動成立し、それ以外は予定船積代金額等という名称のもとで例えば支払期日別の「決済されるべき額」を明らかにし、保険価額⇒保険金額を導いており、あらたまって報告するものはありません。
 また、民的保険では、売上高報告書は保険関係の成立要件とした国別累計額のものとしてあります。
 2スキームで関心のあるのは、保険をかけるときにおける自主点検のところです。